概要

WordPressをレンタルサーバーからKUSANAGIに移行しました。

移行の際に、いくつかはまった点があったので、私が移行に成功した方法を紹介します。

環境

  • CentOS Stream release 8
  • KUSANAGI Version 9.1.11-4.el8

移行について

KUSANAGIには、移行のための機能はありません。そのため、通常のWordPressの移行と同じ方法で、新しい環境に元のWordPressを移す必要があります。しかし、KUSANAGIは通常のWordPressのサーバー構成とは異なる部分があるため、よく紹介されている方法をそのまま使っただけではうまくいかないことがほとんどです。

例えば、私は最初「All-in-One WP Migration」というプラグインを利用してバックアップを作成して、そのバックアップをリストアするという形で移行しようとしましたが、エラーなどが発生してうまくいきませんでした。

次に、「Duplicator – WordPress Migration Plugin」というプラグインを利用しました。こちらもそのままではうまくいきませんでした。しかし、サーバーの設定を少し修正することでうまくいきました。

そのため、ここでは私がDuplicatorプラグインを利用してうまくいった方法を紹介します。

移行方法

移行の最初のステップとして、Duplicatorをインストールします。

Duplicator – WordPress Migration & Backup Plugin

Duplicatorをインストール後は、バックアップを作成します。バックアップを作成すると、そのバックアップファイルとリストア時に使用するinstaller.phpファイルが作成されるので、それらをダウンロードします。

次に、KUSANAGIのサーバーの設定をします。最初にKUSANAGIで、プロファイルを作成します。プロファイルを作成すると同時にWordPressの環境が作成されるので、リストアはこの作成したWordPressの環境に行います。

ここからリストアの準備に進みます。サーバーに、Duplicatorで作成したバックアップファイルをアップロードします。アップロードの方法はいくつかありますが、私はsftpを利用しました。sftpは、SSH接続と同じようにサーバーに接続して、ファイルなどのアップロードやダウンロードができるソフトウェアです。

アップロードが終わったら、/home/kusanagi/プロファイル名/DocumentRootにアップロードしたふたつのファイルをコピーまたは移動します。その後は、DocumentRoot以下のファイルのパーミッション(権限)を次のコマンドで修正します。

# chown httpd:www -R /home/kusanagi/プロファイル名/DocumentRoot/

これでリストアの準備ができたので、リストアに進みます。ここから後は通常のDuplicatorのリストアと同じ手順で進み、リストアを完了します。

これで、移行のほとんどが完了しました。最後に、今回のリストアのために変更したパーミッションを元に戻します。

# chown kusanagi:kusanagi -R /home/kusanagi/プロファイル名/DocumentRoot/

また、KUSANAGIのセキュリティに関連して、wp-config.phpの位置とパーミションも変更しておきます。

# mv /home/kusanagi/プロファイル名/DocumentRoot/wp-config.php /home/kusanagi/プロファイル名/DocumentRoot/
# chmod 440 /home/kusanagi/プロファイル名/wp-config.php

これで全ての手順が終わり、新しいKUSANAGIのWordPress環境に移行することができました。

さいごに

KUSANAGIは高速にWordPressが動作するので良いのですが、通常の構成とは異なる部分があるので、サーバーを操作する際に分かりにくいという欠点があります。また、ドキュメントもあまり充実していないので、この操作が分かりにくいという問題に拍車をかけている気がします。

KUSANAGIへの移行を考えている人の参考になれば嬉しいです。