概要

2025年4月17日にJetBrainsの新しいAI機能がリリースされました。このAI機能を早速使ってみたので、その感想について書きました。

遂にJetBrains Junieがリリースされた

JetBrainsのAI Agent機能であるJunieが正式にリリースされました。 JunieというAI Agentは、既にウェイティングリストが公開され、一部の方々は利用することができていました。 その一部の利用できた方々からの評価はとても高く、しっかりと適切なAIのサジェストが得られると言うことでした。 そのため、正式リリースされたら、すぐにでも使い始めたいと思っていました。

そのJunieが遂に一般リリースされたと言うことで、早速使ってみました。

私のプロフィール

感想を書く前に、私自身のAIを利用したコーディングのプロフィールについて紹介します。

私は、普段の開発ではあまりAIを利用していません。 唯一利用していたものはGitHub Copilotです。 利用していたと言っても、たまにコーディング中にサジェストを表示していた程度です。チャット機能などの他の機能はいまいち使いにくいと思っていたり、欲しい情報が得られないということが多かったりしたので、ほとんど使っていませんでした。

このような状況であるため、他のAIサービスやAIエディタと比較するということはしません。そもそも、ほとんど利用したことがないため、ちゃんと比較できません。

利用してみた感想

ここから、実際にJetBrainsのAI機能を使ってみたレビューを書いていきます。 今回の利用は2025年4月18日までのものです。今後機能が増えて、今回のレビューが当てはまらなくなると考えられます。ご注意ください。

まず最初に、JetBrainsのAI機能について一覧をリストアップします。

  • JetBrains Junie
    • AI Agent機能
  • JetBrains AI Assistant
    • サジェスト機能
    • チャット機能
    • Gitのコミットメッセージ提案
    • 要約、コード説明、問題解決
    • etc…

このように、AI AgentであるJunieと、コードのサジェストや説明、チャット機能などを提供するAI Assistantの2つの機能があります。そのため、それぞれに分けてレビューをしていきます。

JetBrains Junie(AIエージェント)

まず最初に、AIエージェントを使ってみました。 初めてAIエージェントを使うので、始めは使い方が分からず困惑しました。 しかし、思っていたよりも使いやすいという印象です。

私の実際にやった使い方として、Androidアプリの簡単なリファクタリングを任せてみました。 具体的には、コード中で利用していたJetpack Composeのコードについて、変数を適切に変更しつつ複数のファイルを横断して依存関係を整理するということをお願いしました。 このタスクについて、AIエージェントは適切に作業をしてくれました。手を動かさずともコードが修正されていく姿を見ているのは、とても驚きました。 修正中は、ステップバイステップで作業の様子を確認できました。コードのどの部分を修正しているのかをその都度確認できました。また、AIエージェントの作業の最後には、修正した内容を確認して、適用するか破棄するかを選択できます。もしも気に入らない修正であればそこでコードへ反映させずに辞めることができます。 結構使いやすいUIという印象でした。

JetBrains AI Assistant

このアシスタント機能は、多機能です。 そのため、コードのサジェスト機能とチャット機能について主にレビューをしたいと思います。

最初にサジェスト機能についてですが、これはGitHub Copilotとあまり変わらない使用感です。強いてGitHub Copilotと異なると感じたのは、サジェストの表示頻度が少ないということです。これについては、設定で変更可能かもしれませんが、今のところ見つけられていません。不満には感じていないので、そのままにするつもりです。 精度については、それなりという印象です。いまいち実装したい内容がちゃんとサジェストされるという感じではありませんでした。これについては、今後利用するLLMのモデルが進化することで変わるかもしれません。

チャット機能についてですが、これは結構良さそうでした。 コードで分からない部分を聞いたり、実装したい内容について、どのように実装したらいいのかを聞いたりしました。結構良い感じの返答をしてくれるという印象です。 また、Junieの機能と重なる部分がありますが、チャットでLLMが提案したコードを反映させる機能がありました。まだBeta版ということですが、ちゃんと機能してくれました。

screenshot0.png

このような、便利な機能が簡単に使えるのには感動しました。

チャットについてですが、LLMのモデルを変更できるようです。デフォルトではClaude 3.5 Sonnetが選択されていました。

screenshot1.png

結果が悪い時は別のモデルを選択できるなど、柔軟性が高そうです。

その他

JunieやAI Assistantは、JetBrains製のIDEとUIがちゃんと統合されている印象があります。AIチャットの内容からコードへ変更を適用できたり、Junieの作業の様子をステップバイステップで確認しつつ、コードへ変更を適用できたりして、あまりクセがないように思います。 もしかすると、他のAIサービスやAIエディタでも、似た状況かもしれませんが、JetBrainsのIDEをそのまま使ってAIのサポートを受けられるというのが、一番の良いところかもしれません。

ライセンスについて

そもそも、これらのAI機能を利用するためのライセンスがどうなっているのか気になるところです。特に、料金がかかるかどうかです。

調べたところ、JetBrains All Products Packを利用しているのであれば、追加料金なしでこれらのAI機能が使えます。All Products PackについてくるライセンスはAI Proというもので、Quota(AIへのリクエスト可能数)のサイズはM creditsとなっています。Quotaは1ヶ月でリセットされます。他にも、AI Ultimateというプランがあり、こちらのQuotaがL credtsとなっています。AI Ultimateを使う場合は、追加でライセンス料を払う必要があります。使い方にもよると思いますが、AI ProでQuotaが枯渇するようならば、Ultimateを契約するということで良いのかと思います。

私は、All Products Packを持っているため、追加料金なしで利用できました。実質タダみたいなものでした。同様に、All Products Packのライセンスを持っている方であれば、すぐにでも利用してみることをおすすめします。

さいごに

正直なところ、他のAIサービス(Cursor、Roo Code、WindSurf等)と比較しているわけではないため、あまりレビューとして参考にならないかも知れません。別のエディタに興味がないわけではないのですが、どうにもJetBrainsのIDEから離れたくなかったので、触ってきませんでした。 しかし、JetBrainsのIDEでちゃんとしたAI機能が使えるようになったのはとても素晴らしいことだと私は思っています。

今後も、JetBrains社には、AI等を含めた使いやすいIDE、エディタの開発を続けていって欲しいです。