概要

今回、ある組版システムがTeXLiveを内部で使用するため、TeX Liveをインストールしなければならなくなりました。

インストール環境はmacOSです。

macOSであればMacTexというmacOS専用のインストーラーがあるのですが、少し評判がよくないため、今回はUnix/Linux用のTeX Liveをインストールして使うことにしました。

ここでは、macOS Big SurでTeXLive 2020をインストールした流れについて紹介します。

結論から言えば、私が心配していたmacOS Big Surでもインストールできるのかという心配は杞憂でした。

環境

  • macOS Big Sur 11.0.1
  • TeX Live 2020

インストール方法

macOSへのTex Liveのインストールの説明はこの記事が詳しいです。

TeX Live/Mac - TeX Wiki

私自身もこの記事を参考にインストールしたのですが、少しはまった部分があったので、そこについて重点的に説明していきます。

Unix環境へのTeX Liveのインストールでは、ターミナルを使ったインストールを行います。

そのため、最初にターミナル上からインストーラーをダウンロードしてくるのですが、私の場合はこのインストーラーの取得の段階ではまってしまいました。どういうことかというと、記事に書かれているとおりにすると、解凍の際に、エラーが発生してしまいます。そこで、インストーラーを別の場所からダウンロードして解凍したら、うまくいきました。

$ curl -O http://ftp.jaist.ac.jp/pub/CTAN/systems/texlive/tlnet/install-tl-unx.tar.gz
$ tar xvf install-tl-unx.tar.gz

ダウンロードするサーバーは、ネットワーク的に距離が近い日本のミラーサイトのものを指定しました。

次に、解凍したファイルが置かれているディレクトリに移動します。

$ cd install-tl*

ここからインストールを開始します。

$ sudo ./install-tl

intall-tlには、いくつかのオプションがあり、CUIだけでインストールすることもできるのですが、今回は、GUIを使用してインストールします。

後は、GUIに表示される説明に従って進めていけばインストールは終了します。

最後に、TeXの管理用のコマンドのパスを設定します。

$ /usr/local/texlive/2020/bin/x86_64-darwin/tlmgr path add

環境によっては、2020やx86_64-darwinの部分が変わることもありますが、tlmgrを使用してパスを追加すると言うことは変わりません。

私がインストールしたTeX Live 2020では、インストール時点で日本語の環境が準備されているため、日本語フォントの設定等は不要で、すぐに使用できるため、これ以上のTeXの設定は必要ありませんでした。

これで、TeXのインストールと設定は終わりです。

TexShopのインストールと設定

上記の方法では、エディタはインストールされません。

そのため、追加でエディタをインストールします。

私はエディタとしてTeXShopを好んで使用しているため、TeXShopをインストールします。

TeXShopは、次のサイトからダウンロードできます。

TeXShop

ダウンロードしたら解凍して、/Applicationsに移動します。

これで、TeXShopのインストールは終わりですが、このままではTeXを使うことができないため、TeXShopの設定が必要です。

TeXShopの環境設定から、「設定プロファイル > upTeX (ptex2pdf)」を選択します。その後、内部設定から、パス設定を行います。パス設定は「/Library/TeX/texbin」を次のように置き換えます。

/usr/local/texlive/2020/bin/x86_64-darwin

最後に「OK」を選択して、設定を保存すれば終了です。

さいごに

これで、TeX LiveがmacOSにいんすとーるできました。

MacTeXをインストールしたくないという人は、このような方法でインストールできるので、参考にしてください。