概要

「知」の方法論―論文トレーニングという本を読みました。ここでは、その本を読んだ感想について書いていきます。

読んだ理由

私は現在地方の公立大学の大学院で、大学院生をしています。大学院生は、学会発表などのアウトプットが学部生自体よりも多く、論文などの文章を書く機会も多くなります。

しかし、ちゃんと論文の書き方を勉強しているわけではないため、他の論文などを参考にしながら、似たような文体で書いています。

ここで、初心にかえり論文の書き方を勉強をしようと思い、次の本を読んでみました。

2008年の出版と少し古いですが、文章の書き方はそうそう変わるものでもないと思われるので、2008年であれば大丈夫と考えました。

感想

内容として、例を挙げながら文章の構成はどのようなものが良いのかを説明していたため、とても分かりやすく感じました。例えば、どのような文章が論文に適しているのかを修正前と修正後を見せながら説明していました。

本は文章の書き方を説明していますが、どちらかというと、どのような内容が論文としてふさわしいかという、研究の構成に踏み込んだ内容であった。これは、そもそもの研究がちゃんとしていないと文章が書けないということで、ある意味当たり前の話といえるでしょう。

この本の著者は政治学の先生ということで、文章の例として挙げられるのは政治のお話が多かったです。また2008年の本当言うことで、ちょっと政治のネタが古く、懐かしい感じがしました。

興味深い内容として、抽象と具体を行き来していくことで研究が良いものになるというものがあった。確かに、具体的な部分だけを突き詰めても研究にはなりにくく、その逆に抽象的なことだけを突き詰めても研究にはなりにくいため、このような抽象と具体を行き来するというのはなるほどと思いました。

この本の構成も、文章の書き方という具体と、研究の進め方という抽象のお話が混ぜてあるので、上記の内容に説得力がありました。

さいごに

論文の書き方に悩んでいる人にはとてもお勧めするような本だと、私は思います。特に、研究の進め方についても触れているため、学部生などに勧めるというのもよさそうです。