「対応分析入門 原理から応用まで」を読んだ感想

目次

概要

研究の過程で、様々な方法を知っておく、研究の武器を持っておくというのはとても有用です。

今回は、対応分析について深く知るために読んだ本について紹介します。

読んだ理由

対応分析は、データの傾向を知るために行われる分析手法の一種です。論文などでもたまに対応分析を利用したものがあります。しかし、対応分析がどのようなものかインターネットで調べても、あまり情報がひっかからず、結果の読み方についてもあまり詳細な情報はありません。

そこで、今回は「対応分析入門 原理から応用まで 解説 Rで検算しながら理解する」という本を読んでみました。こちらの本は、Rで検算しながらということで、計算方法についても知ることができ対応分析を深く知ることができそうという考えから選びました。

感想

こちらの本は、いわゆる専門書と比べるとページが少ないですが、書いてある内容はちゃんと対応分析です。また、この本は2部構成となっており、前半は元々の本を和訳したもので、後半は本のタイトルにあるようにRでの検算となります。

本を読んでいて、対応分析は比較的新しい分析手法であるという趣旨の文章がありました。このような内容より、対応分析の情報が少ないのにも納得しました。もっと情報が増えてくれると嬉しいなぁ。

対応分析がどのようなものか、どのような理論でどのような計算をしているのかは前半部分だけで終わりなので、正直なところ対応分析は、あまり複雑なものではないのかと拍子抜けするようなものでありました。つまり、とりあえず対応分析の結果の見方だけを知りたければ前半だけを読めばいいということになります。

この本の特徴的な部分は、やはり後半部分のRによる検算になると思います。後半部分では、前半部分の説明を受けて、解説・訳者の方が前半の章に対応させて、Rのコードとともに、前半の内容を補足するような解説を載せています。この解説には結果とともにその結果から読み取れる考察が書かれているため、今後の研究の参考にもなりそうで、とても満足のいくものでした。しかし、後半の解説は私には結構難しいと感じているので、今後も見返したいと思っています。

さいごに

対応分析をやるのであれば、こちらの本はかなりおすすめです。特に対応分析を何のためにするのか、結果からどのようなことが言えるのかを知りたいという人におすすめです。